高度8000mエベレストに眠る亡骸とエピソード10枚

2011年08月12日
高度8000mエベレストに眠る亡骸とエピソード10枚
ヒマラヤ山脈にある世界最高峰の山、エベレスト。1953年に英国隊のエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイによって初登頂がなされた場所で、これまで216人が命をおとし、150人の遺体は未だ凍結放置されています。

登頂するにはネパール政府に登山料を支払わないと登れないシステムになっており、15種類のルートの内、もっとも安い「ノーマルルート」は1人25,000米ドル(日本円で約240万円)となています。

高度8000mエベレストに眠る亡骸とエピソード10枚
この遺体は”グリーンブーツ”と名前がついている。北東側ルートには「グリーンブーツケーブ」と呼ばれるオーバーハング(岩の張り出し)があり、北東側ルートを通るものはみなこの遺体をみることになる。また、北東側ルート一帯は遭難者達のカラフルなダウンジャケットが、見え隠れする事から「虹色の谷」と呼ばれている。

山ではこれまでに200近くの遺体に名前がつけられ、目印となるランドマークとして使われている。

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エベレストでの遺体の回収は不可能に近い為、凍結放置されている。平均温度氷点下27度、頂上では時速320kmにもなる風が吹く。そのような過酷な環境では、死体の回収を行う余裕は誰にも無い。

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死の多くは”一眠り”の結果起り、彼らは目覚めることはなかった。遭難死の7割は下山時に発生しており、死亡率は5%前後とされている。

高度8000mエベレストに眠る亡骸とエピソード10枚

頂上までの旅は2万ドル~6万ドルの費用がかかり、時として命という犠牲を払うこともある。「ノーマルルート」は人数が多くなると割引があり、最大の7人参加の場合70,000米ドル、1人あたり10,000米ドルとなる。また、登山料は一度払うと2年間は登る権利があるそうだ。

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多くの登山者はエベレストを登るときに最も辛いのが、登山者たちの墓を通り過ぎながら進まないといけないということだと述べた。

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過酷な気象条件のため、遺体は50年以上経過しても、腐敗がとても少ない。

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頂上付近では、瞬時に凍傷にかかってしまうことが現実に起こりうる。

高度8000mエベレストに眠る亡骸とエピソード10枚
標高8,160m付近。これは1924年に死を遂げたジョージ・マロリー氏(英国の登山家1924年エベレスト初登頂に挑んで遭難した)の遺体である。「なぜ、あなたはエベレストを目指すのか」と問われ「そこに山があるから(Because it is there.)」と答える逸話は有名ですね。(30歳頃の写真

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時として登山者らは山で死んでいく人々に出くわすことがあるが、彼らを助ける方法などはなく、そのまま置いていくしかない。

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二人の登山者は「おいていかないで」と叫ぶ死にゆく女性を見かけたが、助ける術などなく彼女を死なせてしまった。彼らは前に進まなければならなかったし、立ち止まってしまえば彼ら自身の命もリスクにさらしてしまうことになる。(彼女の写真

罪の意識を感じた彼らは、数年かけて費用を準備して山に戻り、彼女を適切な形で埋葬したという。


零下51度からの生還 エヴェレストの悲劇――死の淵から蘇った男

2012年5月エヴェレストで4人の命が失われた大惨事とは(1)
2012年5月エヴェレストで4人の命が失われた大惨事とは(2)

>>Dead Bodies On Mount Everest


タグ :カルチャー

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