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人が老いるということ、それは衰えではなく知性が鋭くなることだ

2012年06月27日
人が老いるということ、それは衰えではなく知性が鋭くなることだ
あの人の名前は何だっけ?」人は加齢とともに特定の知的能力は衰えるのに対して、多くの極めて重要な能力において知性が鋭くなることを科学者達は見いだしつつある。イリノイ大学の研究によると、高齢の航空管制官は短期記憶や視覚的な空間処理にいくらか衰えがあるものの、認知の面で負担のかかる仕事に卓越しているという。なぜか? 彼らは複数の航空機を同時に指示して調整し、衝突を避ける専門家だったのだ。

人々はまた、社会的な対立をより効果的に処理する方法を学ぶ。2010年の研究では、ミシガン大学の研究者達は、「Dear Abby (人生相談のコラムの名前)」の手紙を200人の人々に示し、どのような助言を与えるのかを尋ねた。60代の被験者は多様な見解を想像し、複数の解決策を考え、妥協を提案した点において、20代の被験者よりも優れていた。

感情をコントロールすることはそれ自体が1つの能力であり、多くの人が習得するのに何十年もかかる能力であることが分かる。今年発表された研究では、ドイツの研究者達が人々に後悔を引き起こすように作られたギャンブルゲームをさせた。20代の人とは異なり、60代の人は失敗に苦悩することなく、後に大きなリスクを取ることで損失を取り戻そうとすることは少なかった。

これらの社会的な能力は莫大な利益をもたらすかもしれない。2010年、ストーニーブルック大学の研究者達は、数十万のアメリカ人の電話調査を分析し、50歳を超えた人々が総じてより幸せであり、怒りが20代から70代にかけて徐々に減少し、ストレスが50代で急激に減少することを発見した。

これは、老いを悲しみや孤独と同一視する人々にとってニュースかもしれないが、スタンフォード大学の心理学者であるLaura Carstensenによる一連の研究に一致する。彼女は、18歳から94歳の人々を10年間追跡した研究を指揮し、彼らが幸せになったことと、感情が反芻しなくなったことを発見した。これらの研究が明らかにしたところによると、悲しみ、怒り、恐怖といった負の感情は、劇的な出来事に満ちあふれた若い頃と比べて、声に出されることがなくなるという。

コーネル大学の社会学者であるKarl Pillemerと共同研究者は、『30 Lessons for Living: Tried and True Advice from the Wisest Americans (生きるための30の教訓: 最も賢明なアメリカ人からの信頼できる真実の助言)』という題の本のために、約1200人の高齢者にインタビューした。Karl Pillemerの語ったところによると、「多くの人が同じようなことを述べた。つまり、『日々人生を楽しみ、自分が60代ではなく30代であった時を楽しめるようになればよい』と」。インタビューを受けた高齢の人々の多くは、「この5年もしくは10年が人生で最も幸せな時であったと説明した。

「私たちは70代以上の人に対しひどく否定的な固定観念を持っているが、この固定観念は概して間違っている」とPillemerは語る。



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