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サンドイッチ誕生250周年、サンドイッチが生み出す経済価値とは

2012年05月21日
サンドイッチ誕生250周年、サンドイッチが生み出す経済価値とは
約250年前、サンドイッチ伯爵4世であるジョン・モンタギューがパンのスライスに挟んだ牛肉を頼んだときに、この注文が世界的な軽食になるとは思わなかったであろう。英国サンドイッチ協会によると、伯爵がトランプを続けながら食事をするためにこのような特注をし、伯爵の友人も「サンドイッチと同じもの」を頼んだという逸話がある。

サンドイッチが初めて文献に記録されたのが1762年であることから、モンタギュー家の伯爵領である英南東部の港町サンドイッチ(Sandwich)で5月13日、その発明の瞬間を再現する催しが開かれ生誕250周年を祝福している。

海軍の司令官であるエドワード・モンタギューは1660年に貴族の階級を受爵したときに初代サンドイッチ伯爵と称するようになった。そのとき彼はポーツマスではなくサンドイッチ伯爵と称したのである。

サンドイッチ記念祭の実行委員の1人であるスティーブ・ラスレットさんによると、「当時サンドイッチの町はイギリスにとって主要な海港だった」からエドワード・モンタギュー伯爵はこの名前を選んだということだ。

「彼が貴族の階級を受爵した際にサンドイッチではなくポーツマスを選んでいたら、私たちはポーツマスを食べていることになっていただろう」

また、ラスレットさんは「伯爵4世は複雑な性格の持ち主でした」としている。

「彼は海軍卿に3度就任していたのですが、大胆な性格で一晩中寝ないでトランプ遊びをすることが多かったのです」

料理研究家サム・ボンパスさんによると、サンドイッチ伯爵は「ナイフやフォークが必要なとき」に手づかみでものを食べていたとのことだ。

「その当時の食に関する記録をみると、すべての食べ物が同時にテーブルに運ばれるフランス式であり、食べ物が給仕たちによって切り分けられる手の込んだ儀式もあったのです」とボンパスさん。

「サンドイッチは形式にとらわれなかったため人々を驚かせました。自分の置かれている社会的な地位からすると、そのような食べ方をすることは非常に大胆な行為だったのです。サンドイッチ伯爵がパンに挟んだ牛肉を頼むまで、この食べ方が世の中に存在しなかったというのはおかしいです。他の人もこのような食べ方をしていたと思われますが、彼らは記録に残らなかっただけです」とのことだ。

まさに信じられない話である。

この週末にかけて、ケント州の東にあるこの町ではサンドイッチ作り大会が開催され、サンドイッチ伯爵がパンに挟んだ食べ物を注文する場面の再現も行われている。サンドイッチ記念祭の実行委員のマンディ・ウィルキンスさんによると、アメリカ、カナダ、ドイツ、スイス、フランス、ロシアなど世界中からも関心が寄せられているという。

ウィルキンスさんは「サンドイッチは世界的な食べ物ですが、わが町サンドイッチは中世の建物が残っている小さな町に過ぎません。このような著名な食べ物に私たちの町の名前がついているなんて信じられません」としている。

日曜日には伯爵4世と同じ名前を持つジョン・モンタギューさんにサンドイッチ伯爵11世が授与され、サンドイッチのランチが振舞われるとのことだ。

ジョン・モンタギューさんは「サンドイッチの250周年を祝うことができてうれしいです。私の祖先である伯爵4世は単純な発明がこの国で数十億ドルもの産業になり、数十万の雇用を創出しているなんて想像も出来なかったでしょう」と話している。

英国サンドイッチ協会によると、サンドイッチ業界はイギリスで30万人を雇用し、60億ポンドの経済価値があるとのこと。

ジョン・モンタギューさんは「ローストビーフとホースラディッシュを焼きたてのパンに挟む伝統的なサンドイッチがお気に入りです」ということだ。



Sandwich celebrates 250th anniversary of the sandwich



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