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先天性無痛症:私たちは痛みを感じることに感謝した方がいい

2012年07月22日
先天性無痛症:私たちは痛みを感じることに感謝した方がいい
世の中には痛みを感じない先天性無痛症という疾患がある。多くの漫画や映画では「痛みを感じないことは最強だ」と、表現されてきたが、私たちは痛みを感じることに感謝した方がいいだろう。人は痛みを経験し学習する中で、自分の行動を制御していく。痛みのない世界にいる子供は、その学習が難しく、防御反応が欠如しているため骨折や脱臼を繰り返し、そしてその状態で動くために、さらにその症状が悪化していくのだ。

BBCに掲載されたSteven Pete(スティーブン・ピート)が綴った自身と命を絶った兄の人生はあまりにも過酷なものとなっている。先天性無痛症は外傷などの痛みを感じないだけでなく、内臓の痛覚も傷害されている為に常に命の危険と隣り合わせという事になる。また、蚊にさされた時のかゆみというのもごく小さな痛みでさえ感じる事が出来ないのだ。それは自己を防衛できないという恐ろしい結果に繋がる。

先天性無痛症: 痛みを感じない苦悩


原文:Congenital analgesia: The agony of feeling no pain

それは私が生まれて4、5ヵ月のときでした。私の何かがおかしいと両親がはっきりと気付いたのです。そして歯が生えかけている間、私は舌を噛み始め、両親は私を小児科医へ連れて行き、一連のテストを受けさせた。

最初、彼らは私の足の下にライターを置き、私の皮膚に水ぶくれができるのを待ちました。私がそれの反応しないのを見て、彼らは脊柱に針を刺し、上下に動かし始めました。そして、私がそれらのテストのどちらにも反応しなかったので、彼らは私が先天性無痛症であるという結論に至ったのです。

そのため、私は舌の4分の1を噛みちぎってしまった。

私たちは農場で育ち、母と父は私と兄を閉じ込めることなく保護しようとした。しかし、地方から離れると特にあなたが男の子であれば、あなたはあちこちへ出かけ、少しばかりいたずらをするようになる。

そうした理由で、私が幼い頃は怪我と病気のため学校を多く休んでいました。

ローラースケート・リンクで、ある出来事が起こった。私はあまり詳しく思い出すことができないが、そのとき私は足を骨折してしまったようだ。人々は私を指差していた。なぜなら、私のズボンが血まみれで、折れた骨が突き出ていたのです。その出来事があってから、ずっと後まで私はローラースケートをすることを禁止されていた。5歳か6歳のころ、幼児保護サービスが私を家から連れて出していった事がある。誰かが、私の両親が児童虐待をしていると報告したのです。

私は、たしか2ヵ月間州立の病院で治療を受けていた。その間に私は足を骨折し、彼らはようやく、私の両親や小児科医が私について本当の事を言っていると知ったのです。

学校では多くの子供たちが私の病気について質問をしました。彼らは、「どうして、君はギブスをしているの?」と尋ねてきました。私は、11歳か12歳になるまでほとんどギブスをしていたのです。私は、いつもけんかに巻き込まれていて、新入生が転校してきたときには、子供たちは学校紹介の一環と称してその生徒を私のところへ連れてきて、私にけんかをさせようとしたのです。彼らは、「お前が痛みを感じることができないならば、おれが感じさせてやる」と言うのです。

今は、私は無茶をするような人間でありませんし、私は自分自身が他人より用心深いと思っている。なぜなら、自分が怪我をしてしまったら、それがどれほど酷い傷か分からないことを知っているからです。

内臓損傷は私が最も恐れていることで、虫垂炎は本当に私を恐ろしい気持ちにさせてくれる。普段、どんな胃痛や熱でも私は病院へ行き検査をしてもらいます。

私が最後に骨折をした時は、私より先に妻が気付いたのです。私の足は青黒く腫れあがっていて、私は病院へ行きレントゲン検査を受けました。私はつま先の2カ所を骨折しており、そのためギブスを着けたいと医者は私に伝えてきた。私はその翌日に仕事に行かなければなりませんでしたが、ギプスを着けていると仕事をすることができないため、私は彼らに自分で何とかすると伝え、帰宅後、私はガムテープで足を巻いた後ブーツを履き、翌朝仕事に出かけたのです。

私がもうすぐ直面しなければならないことの一つは、私の左足を失うという事実です。私は過去に左ひざを何度も手術しました。そして、私の主治医はひざが完全に動かなくなるまで、待つように私に言った。一度それが起これば、彼らは私の足を切断しなければならないのです。

私は、それが現実にならないようにしており、足を切断するなどと考えないようにしている。しかし、先天性無痛覚症が私の兄に自分の命を絶つ選択を与えた理由の一部だったことを考えられずにはいられないのです。彼の背中は、次第に悪化していきました。彼は、地元の大学を卒業する直前で、医者は彼に翌年か一年半後に彼は車椅子生活を送ることになると伝えたのです。

彼は、「アウトドア派」な人物だった。彼は、外で釣りや狩りをするのが好きでした。しかし、彼は一旦これらがすべて起こったときには、障害者のための財政援助を得ることを考慮しようとしました。そして、裁判官は彼に対して「痛みがなければ、あなたがいかなる援助を受ける理由もない」と伝えたのです。

問題は、多くの人々が私たちを健康だと考える事なのです。

しかし、彼らは私の体がいつでも動かなくなることなど想像できないのです。私はひどい関節炎を患っており、痛みを感じません。しかし、時々動き回ることが難しくなるのです。

私の関節は、圧縮され脈打つような感覚がし、状態が悪い日にはとてもその感覚がうっとうしく、私は一日中いらいらさせられる。それはあなたの動きを制限し、関節をあまり動かすことができない状態にする。

医者は、私の病状を理解していると思う。ただ、あなたが大人になり痛みを感じることができない時、何が起こるのかという心理的な部分を理解していないのです。



Congenital analgesia: The agony of feeling no pain



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