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3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢

2012年06月14日
3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢
まさに彼らのプリンターが生む作品のように、3D Systemsは成長を加速している。このハイエンドの3Dプリンターメーカーは、消費者市場に参入する狙いを持って企業買収を続けているのだ。最近は、3Dプリンティングを用いて見事なまでに美しいカスタムメード義肢の製造を行っているBespoke Innovationsを買収した。

自動車、航空機、建築そして歯科の各業界では十年以上にわたり、試作品の製造に3D Systemsを利用してきた。その高機能プリンターの価格は10,000ドルから100,000ドルもして、マイクロメートルのスケールでの精度を誇る。しかしながら過去2年間は、消費者市場に参入する狙いを持って、24もの企業からなるグループに拡大すべく企業買収に集中してきた。本年4月には、昨年12月にスタートしたばかりのカリフォルニア州の企業My Robot Nationを買収したが、これにより消費者が自宅でロボットを設計してプリントで製作できるようになる。そして今度は、義肢製作企業のBespoke Innovationsを買収してさらに多様な能力を持とうとしているのだ。

3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢

しかし、この企業の義肢は並みの義肢ではない。Bespokeの目標は肢切断患者に機能的であるだけではなく見た目に美しい義肢を提供することにある。そしてそれを深い思慮と配慮を持って実行してきている。通常の義肢製造法であるモールド法を用いるのではなく、患者に残っている手足を計測しそれにぴったり合うサイズの義肢を作るのだ。さらに肢切断患者は義肢をいくつかのデザインの中から選択することができ、最終的に (非常に) 気に入った製品が出来上がるように技術者と共同作業をするのだ。

Bespokeのスキャンおよびプリント技術は、3D Systemsの成長分野である医療関連製品群に統合される。現在のところBespokeは、義肢の外形を3Dプリンティングで作っているに過ぎないが、3D Systemsはすべてをプリントで製造する技術を研究開発中である。3D Systemsは、その製品をできるだけ早期に市場投入すべくBespokeを「前倒し立上げ」しているが、しかし2012年末までは売上は立たない見通しだ。

3D SystemsとSummitは、製造業および米国経済に対して将来3Dプリンティングが与える影響は巨大なものだと考えている。もし、彼らの言うように、「3Dプリンティングはマウスクリックで物を製造する技術であり、ハンマーも釘もそして労働者さえも不要」であるならば、工場を中国に移転して経費を節約することはもはや必要なくなる。このように製造業の形態を根本的に変えることにより、製造業を米国に呼び戻し米国経済を再生することに寄与できる。3D Systemsが3Dプリンティング市場シェアの拡大 (昨年の売上は前年の2億3千万ドルから44パーセント増加している) にかけている熱意を見ると、彼らはまさにそれを意図していると思われる。

Bespokeのサイトではこれまでにないデザイン性に優れた義肢が紹介されており、アスリートが装着する機動性を追求したモデルとは異なり、シーンによって気軽にデザインを変える事の出来る新しい可能性を持った義肢といえる。つい先日「パラリンピックを目指す女子陸上選手、「義足ヌード」カレンダーを発売」という記事も気になるところです。

3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢

3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢

3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢

3Dプリンティングが可能にした機能的で美しいカスタムメード義肢



3D Printed Prosthetics Company Bespoke Acquired By 3D Systems



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