最新の研究結果でオウムが子供に名前をつけている事が判明

2011年07月17日
最新の研究結果でオウムが子供に名前をつけている事が判明
会話を真似したり、人に話しかけたりする驚くべき能力を持つオウムはとても優れたコミュニケーション能力を発揮する。最新の研究で彼らの会話はさらに複雑なことがわかってきた。それぞれのオウムは他者を呼ぶために、名前のように使われる特徴のある音を持っている。その”名前”は一体どこからきたのだろう?

最新の研究では人間が赤ちゃんに名前をつけるように、オウムの親もまた同じように、彼らの子孫である子供に対して、彼らがコミュニケーションをとれるようになるまえから名前をつけるということがわかってきた。コーネル大学のカール・バーグ氏が率いる調査で、ベネズエラのテリルリハシインコ(英名: Green-rumped Parrotlet)の一連のコミュニケーションの様子をカメラに収めた。

Parrot communication in the wild from Karl Berg on Vimeo.



野生のオウム研究が示すのは、ヒナが親の呼びかけに返答できるようになる前から、親鳥は子どもたちに特徴となる音を割り当てる。その音をヒナたちは受け取り、時には彼らなりの微調整を加えたあと、一生同じ音を使っていくことになる。

科学者たちはこれまでに、オウムがそれぞれを呼び合うためにこれらの特徴的な音を使っているのを確認した。

捕獲された鳥を観察して得られた情報は、科学者たちに野生のオウムは名前をどのようなプロセスでつけるのかという疑問をもたらした。これまでは名前を獲得する過程において、生化学的に生まれながらにして特徴的な音を持っているという説と、年長のオウムから音を割り当てられるという説の2つの可能性があると考えられていた。

この研究のために、研究者たちはベネズエラで16のテリルリハシインコが巣を持つところにカメラを配置した。

これらのオウムたちは、かつて1987年に科学者たちによって設置された、巣にするために作られた筒に住み着く大きな自然集団の一部で、研究者の手によりオウムたちの半分の卵を移動させ、親に遺伝子の違う別の子を育てるようにした。

ヒナが泣き始める前の親鳥の泣き声を記録におさめたところ、ヒナが泣き始めたときの声は親鳥がヒナたちまだ小さいときに呼んでいた音であることがわかった。それに加えて、彼らは育ての親鳥が提供した声をもとに微調整を加えて自分のものへとしていくのであって、生物学的に親のものとは違うことが示された。このことから、名前を示す泣き声は生まれもって獲得したのではなく習得されたものだということがわかった。

名前を獲得する動物はオウムだけではなく、人間に加えて、イルカもまた特定の名前で呼び合う動物だ。研究者たちは、社会性を持って生活するということが、動物たちに名前を獲得する後押しになっていると信じている。オウムで言えば、群れが変わったときに誰が誰でわかるかを知るために有効な手段として使っているのが名前であるといえる。

今後、この発見は発話能力の発達の研究に生かされていくことだろう。

研究中の様子はコチラから写真で詳しく見れます。



>>Study Shows Parrot Parents Name Their Children



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